製作:山本正隆 [ドゥーブル・シェフ]
『ガトー』2007年2月号掲載

 マスカルポーネの生地

バター:1140g
グラニュー糖:840g
トレハロース:210g
メープル・シュガー:180g
マスカルポーネ:213g
全卵:735g
卵黄:240g
天然塩:4g
レモン果汁:27g
小麦粉※:840g
B.P.:9g
粉末アーモンド※:210g
※粉末アーモンドは皮付きのシシリー産を自家挽き。80メッシュ。
  1. ローラーで皮付きアーモンドを挽き、80メッシュの粉末アーモンドを作ります。
  2. ミキサー・ボールに軟らかくしたバター、グラニュー糖、トレハロース、メープル・シュガー、マスカルポーネを加えて8分立てに泡立てます。
  3. 別のボールにほぐした全卵と卵黄、天然塩を入れて混ぜ合わせます。
  4. 2と3を一緒にして混ぜ合わせ、充分に乳化させます。
  5. レモンの果汁を加えて混ぜます。
  6. 一緒に篩に通した小麦粉、B.P.、粉末アーモンドを5に加えてよく混ぜ合わせます。

 カカオの生地

ローマジパン※:96g
はちみつ:14g
バター:144g
グラニュー糖:140g
天然塩:1g
生クリーム(乳脂肪35%):30g
全 卵:140g
小麦粉※:150g
ココア:90g
B.P.:1g
クーヴェルチュール※:80g
※ローマジパンのアーモンドはノンパレル種とシシリー産を8:2の割合で使用。
※小麦粉は日本製粉株式会社のグーデリエール。石臼で挽いて小麦の風味・旨みを引き出している。
※クーヴェルチュールはヴァローナ社のカラクを使用。
  1. 刻んだアーモンド2:砂糖1の割合で砂糖をからめ、ローラーで挽いてローマジパンを作ります。
  2. 生クリームとはちみつを40℃に温めておきます。
  3. ローマジパンにはちみつ、バター、グラニュー糖、天然塩、生クリーム、ほぐした全卵を加えて混ぜ合わせ、充分に乳化させます。
  4. 一緒に篩に通した小麦粉、ココア、B.P.を3に加えてよく混ぜ合わせます。
  5. 刻んだクーヴェルチュールを加えて混ぜます。

 ダクワーズ・ショコラ

卵白:140g
グラニュー糖:170g
T.P.T.※:142g
ココア:90g
※T.P.T.のアーモンドはノンパレル種とシシリー産を8:2の割合で使用。
  1. アーモンドと同量の粉砂糖をローラーで挽いてT.P.T.を作ります。
  2. 卵白にグラニュー糖を加えて50℃まで温めながら泡立て、スイス・メレンゲを作ります。
  3. 2のメレンゲにT.P.T.とココアを加えてよく混ぜます。

作り方
  1. 型に軟らかくしたバターを塗り、ローストしたスライス・アーモンドを散らします。
  2. マスカルポーネの生地を型の半分まで流します。
  3. 丸い口金を付けた絞り袋でカカオの生地を中央に絞ります。
  4. 残りのマスカルポーネの生地を流します。
  5. 丸い口金を付けた絞り袋でダクワーズ・ショコラを表面を覆うように絞り、粉砂糖を2回振り掛けます。
  6. 180℃のオーブンで約1時間焼きます。

  • 修業時代を含めて最先端のお菓子から素朴な郷土菓子までさまざまなお菓子に出会いました。中でも今、特に深く追求してみたいのが伝統の深い部分を大事にしたお菓子です。基礎に立ち返って生地のおいしさを追求、素材をもう1度見直してみます。すると、産地による材料の特徴を把握するのはもちろん、最良の状態の素材を使わなければならないと痛感します。挽き立てのアーモンドの香り、風味はお菓子に私が求めるモ深みモを与えてくれます。このモ深みモこそがヨーロッパのお菓子の伝統そのものです。お菓子に伝統のメ奥深いおいしさモを与えるために導入したのが、ストーン・ローラーです。
     ストーン・ローラーの導入で粉末のナッツ、ローマジパン、T.P.T.、ジャンドゥヤ等は自家挽きです。挽きたてのアーモンドの香り、風味の良さは格別です。粉末の細かさ(メッシュ)でお菓子のメ味のデザインモも変わります。ただ、ローラーを使いこなすのは容易ではなく、常に試行錯誤の繰り返しですから、効率だけを求めていては使えません。しかも安い機器ではありません。今は特別に注文すればある程度好みの状態の素材を入手することもできます。それでも敢えて手間をかけて素材から作りたい、お菓子作りの魅力と面白さはそこにあると思います。一時的には高価な買い物ですが、ローマジパンやT.P.T.の自家挽きを続ければ、長い目でみて決して高い投資ではありません。