製作:砂盃ひとみ[目白大学短期大学部専任講師 製作時は東京製菓学校]
『ガトー』2000年4月号掲載

(直径18cm×高さ4cmのセルクル1台分)

 パータ・バスク

無塩バター:250g
カソナード:200g
粉末アーモンド:100g
全卵:2コ
薄力粉:340g
B.P.:3g
食塩:6g
  1. 無塩バターとカソナードをすり合わせます。
  2. 食塩、粉末アーモンドを加えて混ぜ合わせます。
  3. 全卵を2〜3回に分けて加え軽く混ぜます。
  4. 一緒に篩いに通した薄力粉とB.P.を加えて混ぜ過ぎないように合わせます。
  5. 生地がまとまったらラップで包み、冷蔵庫で1晩ねかせます。

 クレーム・パティシエール

卵黄:2コ
グラニュー糖:60g
薄力粉:25g
牛乳:250g
ヴァニラ:1/2本
ラム:15ml
  1. ヴァニラを裂いてビーンズを取り出し、グラニュー糖と混ぜます。
  2. グラニュー糖の2/3と少量の牛乳を残して、1/3のグラニュー糖、ヴァニラの莢を牛乳に入れて沸かします。
  3. 卵黄に、残りのグラニュー糖と牛乳を入れて混ぜ合わせます。
  4. 薄力粉を入れて混ぜ合わせます。
  5. 温めた2の牛乳を4に注いで混ぜ合わせます。この時、ヴァニラの莢は除きます。
  6. 火にかけて煮上げます。
  7. ラムを加えて混ぜます。

 つや出しの卵

卵黄:1コ
水:少量
塩:1つまみ

作り方
  1. セルクルの内側にバターを塗りシリコンペーパーを敷いたテンパンに載せます。
  2. パータ・バスクを伸して直径18cm×厚さ1cmの円盤状のもの2枚と、厚さ1.5cm・幅2cmの帯状にします。
  3. セルクルの底に円盤状のパータ・バスクを敷き、帯状のパータ・バスクを側面に貼り付けます。
  4. クレーム・パティシエールを絞り、もう1枚のパータ・バスクを被せて蓋をします。
    生地のつなぎ目は刷毛に水を浸して付けます。
  5. 表面につや出しの卵を塗り、フォークで筋をつけ、空気穴を2〜3箇所あけます。
  6. 180℃のオーブンに入れて40〜50分焼きます。

  • バスク地方はフランス南西部からピレネを越えてスペイン北部にまたがる一帯で、バスク人は古くから固有の文化・言語を持っています。
    長年バスク地方で守られてきた伝統的なレシピではカソナードや粉末アーモンドは使いませんが、カソナードやナッツを使うことで物足りなさを補ってくれます。表面に付ける筋も格子模様、波模様、卍模様とさまざまです。卍はCroix de Basque(バスクの十字架)表しているそうです。フィリングもクレーム・パティシエールだけでなく、特産品のダークチェリーのジャムを詰めたタイプもあります。
    長い年月を経てもなお受け継がれている伝統菓子には、やはりそうなるべくしてなった揺るぎない存在感と安心感があります。伝統菓子が多くの人の心をつかんで放さない魅力はそういったところにあるのではないでしょうか。
  • このバスク生地は通常麺棒でのばす他のパートに比べてやわらかいので充分に冷却しながら成形していきます。またバスク生地部が厚めなので中まで充分に火を通すためには焼成温度に注意が必要です。特に艶出しの卵を塗った上面は焼き色が付きやすいので状態を見ながら上火を調整します。