製作:永井 紀之 [パティスリー・ノリエット]
『ガトー』2003年2月号掲載

配合

アプリコットのピュレ:1000g
トレハロース:350g
グラニュー糖:800g
ペクチン(HM):27g
水あめ:300g
クエン酸:10g
  1. アプリコットのピュレと水あめを火にかけて沸騰させます。
  2. ペクチンを5〜10倍のグラニュー糖と混ぜ合わせておきます。これを1に加えて加熱し、溶かします。
  3. 残りのグラニュー糖とトレハロースを加えてブリックス73%まで煮詰めます。
  4. 少量の湯で溶かしたクエン酸溶液を加えて混ぜます。
  5. 型に流して固めます。
  6. 適当な大きさに切り分けて、全体にグラニュー糖をまぶします。

  • パート・ド・フリュイの甘さを抑えたいと考えていた時、トレハロースという甘味料の存在を知り、試しに使ってみました。すると甘さが抑えられるだけでなく、上白糖や和三盆のようなあっさりした甘味になりました。
    トレハロースにはデンプンの老化を抑える働きもあり、焼き菓子に使えば劣化の速度を遅らせることができます。また保水性が高いので冷凍したものを解凍する場合の離水防止にも効果的です。というようにトレハロースはその特性を生かして今後洋菓子作りに欠かせない甘味料になると思います。量的には糖分の2〜3割をトレハロースに置き換えると良いでしょう。
    ただ、トレハロースの特性からカラメル化しないという点は覚えておいてください。
  • ゲル化剤のペクチンはあらかじめ糖分と混ぜ合わせておき、これを加えて溶かします。単独で加えるとダマになりますので注意が必要です。
  • パート・ド・フリュイはアプリコット以外にもイチゴ、フランボワーズ、青リンゴなどさまざまな果物で作ることができます。その際、使用する果物によって水あめなどの糖分の量は変化します。また、生のキウィやパイナップルはペクチン分解酵素を含んでいますので、火を通して分解酵素の働きを失活させる処理を施してから利用します。
  • 水あめも最近は新しいタイプのものが開発されています。トレハロースとの相性が良く、ペクチンの繊維を長く保つ特性を持つ水あめもあり、こうした新しい材料も積極的に活用しています。

    ※トレハロースは“トレハ”の商品名で株式会社林原から販売されています。同社のホームページでトレハロースの特性やお菓子への利用が詳しく紹介されています。